· 

仮想通貨-書評-中央銀行が終わる日

平成28年 岩村充 新潮社 『中央銀行が終わる日 ビットコインと通貨の未来』

ビットコインとは何かを考え際、読んでおくべき書籍を1冊だけ挙げるならば、本書です。

 私が「ビットコインをめぐる税法のありかた」という論文で日税論文賞に応募しようと思った、きっかけとなった書籍です。

 たしかに、本書は、ある程度のマクロ経済学の前提知識と、プログラミングの初歩的な知識がなければ読み解けないでしょう。しかし、分からないなりに読み進めていく、あるいは、他書で補いながら読み進めていくにあたいする価値が本書にはあります。

 その価値とは、他の多くの書籍が、ビットコインや仮想通貨についての興味を抱かせる単なる読み物であるのに対し、本書はビットコインの経済的価値に真っ向から対峙し、これからの経済にいかなる影響を与えるかについて、批判やリスクを顧みずに書ききった意欲作だと評価できるからです。

 随所に、著者の教養に対する欲求を満たすだけの記述や、考えすぎな点も見受けられますが、ここまで踏み込んでビットコインの本質に迫った書籍はないと思います。

 大学等で経済学を専攻なされた方はもちろんのこと、この書籍を理解することを通じて、マクロ経済学への知識を深めるんだ、くらいの気合いを入れて読んでも損はない書籍となっています。

 

                       

 

 

 

 

 

第一章 協調の風景-良いが悪いに、悪いが良いに

第二章 来訪者ビットコイン-枯れた技術とコロンブスの卵

第三章 ビットコインたちの今と未来-それはどこまで通貨になれるか

第四章 対立の時代の中央銀行-行き詰る金融政策とゲゼルの魔法のオカネ

第五章 中央銀行は終わるのだろうか-ビットコインから見えてくる通貨の未来