メインバンク制度について

 メインバンク制度。よく聞く言葉ですよね。今も、最もお金を借りている銀行を指してメインバンクという言葉を使用します。

 しかし、メインバンク制度は大きく変化しています。なぜ、変化したのでしょうか。

 まずは、メインバンク制度がなぜ機能していたのかを説明します。メインバンクは、単に融資をしてくれるというだけではなくて、長期的に企業を監視監督し、経営危機に陥った企業には追加融資や役員の派遣等をしていました。

 これにより、メインバンクは他の金融機関より、多くの情報を得ることができます。メインバンクの行動を見ていれば、他の金融機関は、その企業の状態を間接的に知ることができました。もし、メインバンクの行動を他の金融機関が把握できなければ、よく知らない企業への融資には利息を高くするでしょう。メインバンクは時に、役員派遣をするほど、企業内部に入り込みますが、それだけでなく、主要取引先の決済情報等を口座情報から得ることができます。また、メインバンクを持つ企業は、持たない企業よりも破綻しにくかったと言えます。最後の最後に救ってくれるのが、メインバンクであって、これが一種の保険として機能していたわけです。

 メインバンク制度は大きく変化しました。しかし、これは主には中小企業のせいではありません。ある程度、大規模な企業が、借入から株式の公開等により資金を獲得するようになったこと、企業集団の再編等を原因として、大きく変化しました。中小企業に関連する原因としては次の点があげられます。バブル崩壊後の多くの企業の倒産の際、上述のように企業経営をよく把握していると考えられていたメインバンクが実は、あまり企業経営を把握していなかったと評価されてしまったためです。

 かたちは変われど、メインバンクは中小企業にとって大切な存在です。中小企業が倒産すれば融資は回収できなくなりメインバンクは困ってしまいます。メインバンクにはタイムリーに試算表等を送るとともに、社長自身が、自分の言葉で企業の経営状態を説明できるようになることで、良好な信頼関係を築いておくべきです。